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妊娠できない原因とは?不妊の検査・治療・費用まで徹底解説

田中 あおい / 更新:2026-06-24
妊娠できない原因とは?不妊の検査・治療・費用まで徹底解説
「タイミングを合わせているのに妊娠できない」。そう感じて検索した方に、まず結論をお伝えします。1年間避妊せずに妊娠しない状態は医学的に「不妊症」と呼ばれ、原因は女性だけでなく男性側にもあり、年齢によっても変わります。

そして、ほとんどは検査で原因を確かめられます。何から動けばいいかも、はっきりしています。

この記事では、不妊の定義から検査・治療・費用、生活習慣、そして心のケアまでを、私自身が不妊治療を経て出産した経験と取材をもとにまとめました。読み終わるころには「次の一歩」が見えるはずです。

書いているのは医療ライターの田中あおいです。私も妊娠できない時期に、出口の見えない不安を抱えていました。だからこそ、誇張のない数字と具体的な手順だけで進めます。

妊娠できないとは?不妊の定義と基礎知識

どうして妊娠できないの!?(不妊の原因) 「不妊治療はじめの一歩講座②」
どうして妊娠できないの!?(不妊の原因) 「不妊治療はじめの一歩講座②」

まず「妊娠できない=病気」と決めつけないでください。不妊は状態を指す言葉で、検査の出発点にすぎません。

日本産科婦人科学会は、妊娠を望む健康な男女が避妊をせずに性交していても1年間妊娠しない場合を不妊症と説明しています。

不妊とは避妊せず妊娠しない状態のこと

ポイントは「1年」という目安です。逆に言えば、1年経っても授からないなら、それは年齢や運だけの問題ではなく、確かめるべき理由があるサインです。

私が当事者として一番伝えたいのはここ。早く調べることは、決して「大げさ」ではありません。

原因不明不妊(機能性不妊)とは

検査を一通りしても、はっきりした原因が見つからないケースがあります。これを原因不明不妊(機能性不妊)と呼びます。

「異常なし」と言われると、かえって不安になる方が多い。でも実際には、タイミング法や人工授精から始めて授かる人もいます。原因不明=望みなし、ではありません。

二人目がなかなかできない続発性不妊

一人目は自然に授かったのに、二人目がなかなかできない。これを続発性不妊といいます。

「前は普通にできたのに」と戸惑う方は多いです。けれど一人目の出産から時間が経てば、その分だけ年齢も上がっています。後述する加齢の影響は、ここでも効いてきます。

流産・不育症との違い

妊娠はできるのに流産を繰り返してしまう状態は、不妊とは区別されます。妊娠の成立がうまくいかないのが不妊、妊娠は成立するけれど継続が難しいのが不育症のイメージです。

どちらも当事者にとっては同じくらいつらい。混同せず、自分がどちらに近いのかを医師と整理することが、検査の選び方につながります。

妊娠しづらい人の特徴と妊娠できない原因

妊娠しづらさには、変えられない要因と、変えられる要因があります。年齢は前者、生活習慣は後者です。

妊娠しづらい人の特徴と妊娠できない原因

日本産科婦人科学会は、女性側では排卵障害に加え、肥満・極端なやせ・多嚢胞性卵巣症候群などが排卵に影響すると説明しています。

35歳以上の加齢による卵子・精子の変化

卵子は年齢とともに数が減り、質も変化します。これは精子も同様です。

受診の目安も年齢で変わります。ソフィの解説では、女性の年齢が34歳以下なら1年、35〜39歳なら6か月妊娠しなければ受診の目安としています。

正直に言うと、35歳を過ぎているなら「1年待つ」必要はないと私は考えます。半年で動いていい。

肥満・やせすぎ・喫煙・飲酒などの生活要因

体重が多すぎても、少なすぎても排卵に影響します。喫煙や過度な飲酒も妊娠しづらさにつながります。

ここは自分の意思で変えられる部分。だからこそ、後半の生活習慣の章で具体的に触れます。

月経異常や性感染症の影響

周期が極端に乱れている、無月経がある、といった月経異常は排卵のトラブルのサインかもしれません。

過去にかかった性感染症が、卵管などに影響を残していることもあります。心当たりがあれば、検査のときに必ず医師へ伝えてください。

女性側の原因

女性側の原因は、大きく分けて卵巣の問題、卵管の問題、子宮の問題などに整理できます。

日本受精着床学会の患者アンケートとして紹介されている数字では、女性側は卵巣因子21%、卵管因子20%、子宮因子18%とされています。

見落とされがちな男性側の不妊原因

「妊娠できない=女性の問題」と思い込んでいませんか。これは大きな誤解です。

見落とされがちな男性側の不妊原因

前述のアンケートでは、男性因子は33%。女性のどの単独因子よりも高い割合です。

精子の数・運動率・質の低下

男性側の不妊は、精子の数が少ない、動きが悪い(運動率が低い)、形に問題があるといった「精子の質と量」の問題が中心です。

これは精液検査でわかります。痛みもなく、結果も比較的早く出る。男性が最初に受けるべき検査です。

造精機能障害と精索静脈瘤

精子をうまく作れない状態を造精機能障害といいます。男性不妊の中で多いタイプです。

その原因の一つが精索静脈瘤。陰嚢の静脈がこぶのように広がり、精子に影響する状態で、手術で改善が見込めるケースもあります。

勃起障害・射精障害

精子自体に問題がなくても、勃起障害(ED)や射精障害があれば妊娠は難しくなります。

プレッシャーから来るEDも珍しくありません。これは精神面のケアと並行して対処できる部分です。

夫婦そろって検査する重要性

男性因子が3割を占める以上、女性だけが検査するのは効率が悪い。私の取材でも、奥さんだけ通院していて、最後に夫が検査したら原因がそこにあった、というケースは何度も聞きました。

最初から二人で受ける。これが結果的にいちばん早道です。

なかなか妊娠できないと感じたらすべきこと

【不妊治療】子どもを授かりたい夫婦の“希望” 検査や手術の現場に密着
【不妊治療】子どもを授かりたい夫婦の“希望” 検査や手術の現場に密着

不安なまま待つ時間は、何も生みません。やることは決まっています。検査して、原因を知り、段階的に治療する。

日本産科婦人科学会は、不妊治療を一般にタイミング法→排卵誘発→人工授精→体外受精・顕微授精と段階的に進めると説明しています。

まずは不妊検査の項目・流れ・痛みや所要時間

女性は血液検査でホルモンを調べたり、超音波で卵巣や子宮を見たり、卵管の通り具合を調べる検査などを受けます。男性は精液検査が基本です。

卵管の検査は痛みを心配する人が多いですが、感じ方には個人差があります。所要時間も項目によって違うため、初診時に「どの検査がいつ・どのくらいかかるか」を必ず確認してください。

基礎体温と排卵日でタイミングを把握する

受診と並行して、自分でできることが基礎体温の記録です。毎朝起きてすぐ、布団の中で婦人体温計を口に入れて測ります。

低温期と高温期の二相に分かれていれば排卵があるサイン。これだけで医師に渡せる立派な情報になります。私も最初の受診前に、まずこれを始めました。

不妊治療クリニックの受診と治療の開始

検査の結果に応じて、タイミング法から治療が始まります。原因がはっきりすれば、いきなり人工授精や体外受精から、という判断もあります。

治療は医師と相談しながら一段ずつ。焦って飛び級する必要はありませんが、年齢によってはスピードを優先する選択もあります。

クリニック選びと転院・セカンドオピニオンの目安

通いやすさは想像以上に大事です。体外受精の段階になると通院回数が増えるため、職場や自宅からの距離は最初に見ておきたいポイント。

半年〜1年治療しても方針に納得できない、説明が不十分だと感じる。そんなときは転院やセカンドオピニオンを検討していい。我慢して通い続けるより、合う場所を探す方が前に進みます。

不妊治療の方法・費用・保険適用と支援制度

お金の不安は、多くの夫婦が一番ひっかかるところです。ここは数字で確認しましょう。

不妊治療の方法・費用・保険適用と支援制度

体外受精などの基本的な不妊治療と一部の医薬品は、2022年4月から保険適用になりました。

治療のステップと期間・ステップアップの判断

タイミング法を数周期試して妊娠しなければ人工授精へ、それでも難しければ体外受精へ。これが基本のステップアップです。

各ステップを何周期続けるかは、年齢と原因で変わります。35歳以上なら、早めに次の段階へ進む判断が現実的です。

2022年4月からの保険適用範囲と費用の目安

体外受精・顕微授精の保険適用には、年齢制限・回数制限があります。経過措置として2022年4月2日〜9月30日の取り扱いも紹介されています(前述のアスカ製薬の解説)。

保険適用後の費用の目安は次の通りです。

保険適用後の不妊治療費の目安
出典:ソフィ「妊活って何をするの?」。費用は条件により変動します。
治療費用の目安
人工授精1回あたり5,460円(1周期あたり2万〜3万円程度)
体外受精採卵1回あたり10万〜13万円

気になる成功率も見ておきましょう。2021年に全国で実施された体外受精・顕微授精等は49万8,140周期で、その治療によって子どもが生まれた割合(生産率)は13.6%と、東京都の妊娠支援ポータルサイトが紹介しています。

13.6%という数字を低いと見るか。私は「1回で授からなくて当たり前」と受け止める材料にしてほしいと思っています。複数回が前提だからこそ、費用の見通しが大事なんです。

高額療養費制度や助成金など経済的サポート

保険適用なら高額療養費制度の対象になり、自己負担の上限を超えた分が後で戻ってきます。所得に応じて上限額が決まる仕組みです。

前述の東京都の案内によると、医療費控除では不妊治療の医療費や交通費も対象になりうるとされ、医療費が10万円を超えた場合に申告する案内があります。確定申告のために、領収書と通院の交通費メモは捨てずに残しておいてください。

仕事との両立と周囲の理解

体外受精の通院は、急に「明日来てください」となることがあります。仕事の予定が立てづらいのが本音。

上司や同僚にどこまで伝えるかは悩みどころですが、最低限のキーパーソンには共有しておくと、急な休みが取りやすくなります。一人で抱え込まないことが、続けるコツです。

妊娠しやすい体づくりと生活習慣の改善

治療と並行して土台を整えることが、結果に効いてきます。前述の通り、日本産科婦人科学会は肥満・極端なやせが排卵に影響すると説明しています。

妊娠しやすい体づくりと生活習慣の改善

特別なことは要りません。当たり前を、続けるだけです。

体重管理と禁煙・節酒

極端なダイエットも、太りすぎも排卵に響きます。標準的な体重を保つことが第一歩。

喫煙は卵子にも精子にもよくありません。これは夫婦そろってやめる価値があります。お酒は飲みすぎを控える、で十分です。

バランスの良い食事と葉酸などの栄養素

主食・主菜・副菜をそろえる、という基本に勝つものはありません。

妊娠を考える時期からは、葉酸を意識して摂りたい栄養素です。胎児の発育にかかわるため、サプリで補う方法もあります。食事だけで完璧を目指さず、足りない分を補う発想で十分です。

適度な睡眠と運動

睡眠不足はホルモンのリズムを乱します。決まった時間に寝る、それだけでも違います。

運動はウォーキング程度で構いません。激しく追い込む必要はなく、続けられる軽さがちょうどいい。

妊娠できないつらさと心のケア・夫婦の向き合い方

【不妊治療】「妊娠まで平均6年超」  背景に“2つのためらい”
【不妊治療】「妊娠まで平均6年超」 背景に“2つのためらい”

正直、ここが一番きつい。費用や検査より、心が削られます。

私自身、生理が来るたびに泣いた時期がありました。だからこの章は、経験者として書きます。

心理的ストレスへのケアとカウンセリング

「自分のせいだ」と責める必要は、まったくありません。原因は男女どちらにもあり、原因不明のことすらある。あなただけの問題ではないんです。

気持ちが限界に近いなら、不妊専門のカウンセリングを使ってください。クリニックに相談窓口があることも多いです。

夫婦のコミュニケーションと治療方針の合意

治療への温度差は、どの夫婦にもあります。妻が前のめりで、夫がついてこられない。その逆も。

「いつまで・いくらまで・どこまで」を、感情的になる前に一度すり合わせておくと楽になります。我が家は、年に一度この話をする日を決めていました。

体験談から学ぶ向き合い方

取材で印象に残っているのは、「結果より、二人で決めたことを大事にした」という夫婦の言葉です。授かるかどうかは医療の領域。けれど、どう向き合うかは自分たちで選べます。

私自身は、治療を一度休む決断をしたことがあります。立ち止まることも、前に進むための選択でした。

妊娠できないに関するよくある質問

最後に、検索で一緒に調べられることの多い疑問へ、短く答えます。

妊娠できないに関するよくある質問

よくある質問

妊娠できないとはどんな状態?
日本産科婦人科学会は、妊娠を望む健康な男女が避妊をせずに性交していても1年間妊娠しない場合を不妊症と説明しています。1年が一つの目安で、女性が35〜39歳なら6か月が受診の目安とする案内もあります。
不妊治療の費用はどのくらい?
2022年4月から体外受精などの基本的な治療が保険適用になりました。保険適用後の目安は、人工授精が1回あたり5,460円(1周期で2万〜3万円程度)、体外受精が採卵1回あたり10万〜13万円とソフィの解説で案内されています。高額療養費制度や医療費控除も活用できます。
不妊検査や治療はどう始める?
まずは不妊治療クリニックを受診し、女性はホルモン検査や超音波、卵管の検査、男性は精液検査を受けます。並行して基礎体温の記録を始めると役立ちます。治療はタイミング法→排卵誘発→人工授精→体外受精・顕微授精と段階的に進めるのが一般的です。

妊娠できない時間は、何もしていないと永遠に感じます。でも、検査の予約を一つ入れるだけで景色は変わります。今日できる一歩は、近くのクリニックの初診予約を調べること。それだけで十分です。

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田中 あおい

医療・健康分野専門ライター(妊活・婦人科領域担当) ・ 不妊治療経験者として複数の婦人科クリニックへの取材実績あり
医療ライター歴8年

自身も不妊治療を経て第一子を出産した経験を持つ医療ライター。クリニックへの取材と当事者インタビューをもとに、迷っている人が「次の一歩」を踏み出せる記事を書くことを心がけている。

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