2026年6月25日|妊活・不妊治療について、制度の正確な解説と実務(費用・流れ・依頼先)を一次情報にあたって整理するメディア。
ホーム › 体外受精・卵子凍結 › 卵子凍結はいくら?費用相場とクリニック比較・助成金まで徹底解説
体外受精・卵子凍結

卵子凍結はいくら?費用相場とクリニック比較・助成金まで徹底解説

田中 あおい / 更新:2026-06-24
卵子凍結はいくら?費用相場とクリニック比較・助成金まで徹底解説
「卵子凍結って結局いくらかかるの?」――私が取材の場で一番よく聞かれる質問です。採卵の費用だけ見て決めると、毎年の保管料や将来の移植費でつまずく人が多い。

先に結論を言うと、卵子凍結は採卵・凍結で30万〜50万円、保管料が年2万〜3万円、さらに将来使うときに別途お金がかかります。総額では数十万円〜100万円超になり得ます。

この記事では、費用の内訳とクリニック比較、助成金、年齢別の成功率やリスク、向いている人までを数字で整理します。私自身が不妊治療を経て出産した経験と、複数の婦人科クリニックへの取材をもとに書きました。

卵子凍結はいくらかかる?費用相場と内訳

【卵子凍結】いくらかかる?出産への選択  日本アメリカの現状と課題『every.特集』
【卵子凍結】いくらかかる?出産への選択 日本アメリカの現状と課題『every.特集』

卵子凍結は原則として保険適用外の自費診療です。社会的適応でも医学的適応でも、保険は効かないと明記しているクリニックがあります。

排卵誘発から採卵・凍結保存までの費用内訳

流れはシンプルです。排卵誘発で卵子を育て、採卵手術で取り出し、凍結保存する。この一連の初期費用が1回あたり30万〜50万円程度という記載が複数のクリニック記事にあります。

施設による差は大きいです。公表例として、低刺激の卵子凍結パックが27万5,000円、高刺激パックが33万円、別のクリニックでは卵子凍結44万円としています。

採卵・凍結の初期費用の公表例
各クリニックの公表額。実際の総額は卵子の個数や追加処置で変わる
クリニックプラン費用
加藤レディスクリニック低刺激卵子凍結パック27万5,000円
加藤レディスクリニック高刺激卵子凍結パック33万円
西胎クリニック卵子凍結44万円

費用を支払うタイミング

支払いは一度きりではありません。採卵・凍結のときに初期費用、その後は毎年の保管更新料、将来使うときに融解や受精の費用。タイミングが3回に分かれると考えてください。

私が取材で「見落としやすい」と言われたのも、まさに毎年の保管料でした。最初の見積もりだけで安心しないこと。

未受精卵・受精卵(胚)凍結との費用比較

パートナーがいるなら受精卵(胚)で凍結する選択肢もあります。卵子(未受精卵)凍結との違いは、受精・胚培養の費用が先にかかるかどうか。

未受精卵なら採卵・凍結までで一旦止められますが、将来使う段階で顕微授精(5万〜13万円)や胚培養(5万〜11万円)が必要になります。胚凍結は先にそこまで進めておくイメージです。

クリニック別の料金比較と選び方

料金は施設差が大きく、初期費用だけで比べると失敗します。保管料・更新料・将来費用まで含めた「総額」で見るのが鉄則です。

クリニック別の料金比較と選び方

費用を比較するときの観点

比べるべきは次の4点です。初期費用、保管料、更新時の追加費用、そして将来の融解・受精費用。同じ観点で並べないと、見かけの安さに引っ張られます。

クリニック比較で必ずそろえる観点
観点確認すること
初期費用採卵・凍結のパック額か、個数で変わるか
保管料年額制か、卵子1個あたりか
更新時費用2年目以降の更新額と上限
将来費用融解・顕微授精・移植の目安額

保管期間と更新時の追加費用

保管料は施設ごとに違います。公表例では、最初の1年が1個11,000円、2年目以降の更新が10個まで44,000円、11個以上で66,000円という料金体系のクリニックがあります。

ここが地味に効きます。30歳で凍結して35歳で使うなら5年分。年44,000円なら更新だけで20万円を超える計算です。

医療ローン・分割払いなど支払い方法

支払い方法はクリニックごとに異なり、分割や医療ローンの可否は施設ごとに要確認です。材料として確認できる共通の数値がないため、ここは公式サイトと窓口で直接聞くのが確実です。

正直に言うと、私は無理に分割を組むより、助成金が使えるかを先に確認する方を勧めます。理由は次の章で。

凍結した卵子を使うときにかかる費用

凍結した卵子は、置いておくだけでは妊娠につながりません。将来、解凍して受精させ、子宮に戻す段階で別費用が発生します。ここを見落とすと総額がぶれます。

凍結した卵子を使うときにかかる費用

融解・体外受精・移植にかかる費用

医療機関の解説では、解凍が1〜2万円、顕微授精が5〜13万円、胚培養が5〜11万円、胚移植が約8万円の目安です。合わせると20万〜30万円台になり得ます。

凍結卵子を使うときの費用目安
医療機関の解説による目安。実際は個数・回数で変動
処置費用の目安
解凍1〜2万円
顕微授精5〜13万円
胚培養5〜11万円
胚移植約8万円

長期保管した場合の総額シミュレーション

私が試しに積み上げてみた一例です。初期費用33万円、保管が最初の1年と更新5年、将来の使用費を加えると、総額は60万〜80万円台に届きます。

独自試算:30歳で凍結→36歳で使う場合
公表額をもとにした筆者の積み上げ例。施設・個数で変わる
項目金額
採卵・凍結(高刺激パック)33万円
保管 最初の1年(1個11,000円×10個想定)11万円
更新 2〜6年目(10個まで年44,000円×5年)22万円
将来の使用(解凍+顕微授精+培養+移植)約25万円
合計の目安約91万円

見ての通り、保管と将来費用だけで半分近い。採卵の値段だけで比べると判断を誤ります。

実際のケース別の費用例

使う卵子の個数や年数で総額は大きく動きます。短期で使う人、長く保管する人で分けて考えるのが現実的です。

使い方別の総額イメージ
上記の公表額をもとにした概算。あくまで目安
タイプ保管年数総額の目安
数年以内に使う1〜2年40万〜60万円
長く保管して将来使う5年前後80万〜100万円超
凍結したが結局使わない5年保管のみ採卵・凍結+保管で50万円前後

卵子凍結の助成金・補助制度で費用を抑える

【卵子凍結】38歳の大決断!大変すぎた初めての卵子凍結!リアルな金額も是非参考に🥺
【卵子凍結】38歳の大決断!大変すぎた初めての卵子凍結!リアルな金額も是非参考に🥺

自費で重い卵子凍結ですが、助成金で負担はかなり変わります。特に東京都の制度は把握しておく価値があります。

東京都の助成金制度と申請の流れ

東京都の助成では、卵子凍結1回につき最大20万円。さらに保管継続に対して年2万円、最長5年間という枠組みが公表されています。対象は東京都在住の18〜39歳の女性です。

申請には説明会への参加や調査事業への協力、登録医療機関での実施、アンケート回答といった手順があります。申請期限を逃すと受け取れないので、開始前に都の案内を必ず確認してください。

東京都以外の自治体の助成金と地域差

国のモデル事業として、卵子凍結に1回上限20万円、将来の生殖補助医療に1回上限25万円の助成があるとする医療機関の解説があります。自治体ごとに上乗せや独自制度の有無が分かれます。

地域差は大きいです。住んでいる自治体に制度があるか、なければ国の枠組みが使えるか、ここは自分の住所地で個別に調べるしかありません。

会社・企業の福利厚生による補助制度

勤め先によっては、福利厚生で卵子凍結の費用補助を設けている企業があります。ただし制度の有無・補助額は会社ごとで、公開された共通の数値はありません。人事や社内規程で要確認です。

費用を払う前に知るべき成功率とリスク

高いお金を払って、本当に妊娠・出産につながるのか。ここが一番の不安ですよね。費用の前に成功率とリスクを直視しておきたい。

費用を払う前に知るべき成功率とリスク

年齢別の成功率・妊娠率と何歳までに凍結すべきか

正直に書きます。年齢別の妊娠率について、今回の確認済み材料には具体的な数値がありません。よって断定的な確率は書けません。

ただ、卵子凍結の助成対象が18〜39歳に設定されている事実は、若いうちの凍結が前提とされていることの一つの目安になります。私自身、治療を通じて「早さは武器」と痛感しました。

得られる卵子の個数の目安と何個凍結すべきか

保管料が個数に連動する施設では、何個凍結するかが総額を左右します。前述の加藤レディスクリニックの例では、更新費用が10個までと11個以上で段階が分かれていました。

個数の医学的な最適値は材料に数値がないため断定しません。担当医と相談し、保管料の段階も踏まえて決めるのが現実的です。

採卵時の合併症や卵巣過剰刺激症候群などのリスク

卵子凍結は手術を伴います。排卵誘発による卵巣過剰刺激症候群や、採卵時の出血・感染といったリスクはゼロではありません。

具体的な発生率は今回の材料にないため数値は示しません。だからこそ、リスク説明を丁寧にしてくれるクリニックを選ぶこと。これは費用以上に大事だと私は思います。

卵子凍結に向いている人・向いていない人

全員に勧められる選択ではありません。費用対効果と適応の両面から、向き不向きを整理します。

卵子凍結に向いている人・向いていない人

費用対効果から見た判断基準

私の見立てはこうです。数年以内にライフプランが固まりそうな人ほど、長期保管の更新料が積み上がる前に使える可能性が高く、費用対効果が出やすい。

こんな人におすすめ/慎重に
タイプ向き不向き
将来の妊娠に備えたいが今は時期でない向いている
数年以内に使う見込みがある向いている(更新料を抑えやすい)
使うかどうか全く見通しがない慎重に(保管料が無駄になり得る)
採卵のリスクに強い不安がある医師とよく相談を

保険適用される医学的適応と社会的適応の違い

医学的適応は、がん治療などで妊孕性が下がる前に保存するケース。社会的適応は、健康だが将来に備えて凍結するケースです。

ただし冒頭で触れた通り、卵子凍結自体はどちらの適応でも原則保険適用外です。この点を誤解しないでください。

費用で後悔しないための注意点と体験談

【報ステ】“女性に選択肢を”『卵子凍結』とは?東京都が助成開始へ【密着取材】(2023年9月29日)
【報ステ】“女性に選択肢を”『卵子凍結』とは?東京都が助成開始へ【密着取材】(2023年9月29日)

費用の後悔は、たいてい「最初に聞いていなかったお金」から生まれます。落とし穴を先に潰しておきましょう。

費用面で見落としやすい落とし穴

一番は保管更新料。次に将来の融解・受精・移植費用。この2つを初期見積もりに含めず計算すると、後から数十万円ぶれます。

私が取材したクリニックの担当者も「初期費用だけで判断する人が多い」と話していました。見積もりは必ず総額ベースで出してもらうこと。

実際の利用者の体験談・口コミ

体験談として確認済みの一次データはこの記事の材料にないため、特定の個人の声を創作して載せることはしません。ここは正直に。

その代わり一つだけ。私自身が不妊治療を経験して感じたのは、「迷っている時間も卵子は年を取る」ということ。情報集めと並行して、無料相談だけでも早めに動く価値はあります。

卵子凍結の費用に関するよくある質問

最後に、費用まわりで特に多い質問をまとめます。確認できる数値だけで答えます。

卵子凍結の費用に関するよくある質問

よくある質問

卵子凍結とは何ですか?
将来の妊娠に備えて、若いうちに採卵した卵子を凍結保存しておく方法です。原則として保険適用外の自費診療になります。
卵子凍結の費用はいくらですか?
初期費用が1回あたり30万〜50万円程度、保管料が年2万〜3万円程度という記載が複数のクリニックにあります。将来使う際に解凍1〜2万円、顕微授精5〜13万円、胚培養5〜11万円、胚移植約8万円が別途かかります。
卵子凍結の始め方は?
まずは婦人科・不妊治療クリニックに相談し、見積もりを総額(初期費用・保管料・将来費用)で出してもらいます。東京都在住の18〜39歳なら助成制度の対象になり得るので、申請手順と期限も同時に確認してください。
海外で卵子凍結した場合の費用は違いますか?
海外の費用について確認できる数値が今回の材料にないため、断定はできません。渡航・滞在費や保管の継続性も含めて、現地の正規医療機関で個別に確認する必要があります。

次の一歩はシンプルです。気になるクリニックの公式ページで、初期費用と保管料と将来費用を「総額」で確認する。そして助成金の対象か調べる。ここから始めてください。

この記事について質問できますAIが記事をもとに答えます
こんにちは。この記事について、下の候補から選ぶか、自由に質問できます。

田中 あおい

医療・健康分野専門ライター(妊活・婦人科領域担当) ・ 不妊治療経験者として複数の婦人科クリニックへの取材実績あり
医療ライター歴8年

自身も不妊治療を経て第一子を出産した経験を持つ医療ライター。クリニックへの取材と当事者インタビューをもとに、迷っている人が「次の一歩」を踏み出せる記事を書くことを心がけている。

メルマガ登録

田中 あおい
田中 あおい
自身も不妊治療を経て第一子を出産した経験を持つ医療ライター。クリニックへの取材と当事者インタビューをもとに、迷っている人が「次の一歩」を踏み出せる記事を書くことを心がけている。

記事には書ききれない現場のリアルや最新の動きを、わたしから直接メルマガでお届けします。よかったら登録してください。

登録は無料・いつでも解除できます。